平成記念公園昭和村(岐阜県美濃加茂市)の里山の中、シイタケのほだ木でつくる食卓(ダイニング)と椅子の現代アート(公開中)
作品のコンセプトは、「食」を通じた一家団欒の場である食卓の机や椅子からキノコが生え、やがてキノコの菌によって朽ちることで、今まで感じなかった家庭の姿や家族のあり方についての意識を揺り動かすことにある。食用キノコと毒キノコという生と死、キノコ(傘と柄の部分=子実体)と菌糸のネットワークという可視と不可視。キノコが持つ形状、色彩、生態の神秘性を利用しながら、釘を使わないこの作品は、やがて朽ちて自然に還る。
雑木林という里山が荒れてゆくのは、薪や炭といった燃料の利用が少なくなったことが大きな理由であるが、キノコ栽培用の原木の利用がされなくなったのもそのひとつである。今後、輸入キノコの増加やオガコや米ヌカを利用した栽培法の普及により、ますます原木栽培は減少し、雑木林が荒れる。里山を保全する造園家=ランドスケープアーキテクトである私が、「食」、「家族」、「遷移」をテーマに、キノコ栽培という「農」と「芸術」の融合を目指す。(作品名「キノコの食卓」、相田明、2015年)
「キノコの食卓」(2015年)
タボと種駒(シイタケの菌)
食卓と椅子
「キノコの食卓」の背景は茶畑
「キノコの食卓」(2015年春)
キノコの食卓
平成記念公園 日本昭和村
〒505-0003 岐阜県美濃加茂市山之上町2292番地1
平成記念公園 日本昭和村
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